THE TOKYO TOILET ポタリング

渋谷区と日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」。 世界で活躍する16人のクリエイターがデザインした個性豊かな公衆トイレを巡るサイクリングコース

コース概要
渋谷区と日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」。 世界で活躍する16人のクリエイターがデザインした個性豊かな公衆トイレを巡る
距離:19.8km
獲得標高:216m

笹塚緑道公衆トイレ(小林純子)

笹塚駅高架下からスタート
笹塚緑道公衆トイレ公式ページ
設計事務所ゴンドラ 小林純子さんは一般社団法人日本トイレ協会会長
正面からだと複数の円筒が並び立って見えるデザイン。女性トイレ入り口向かいに独立した子ども用トイレが並ぶ
外壁は錆の侵食を食い止める保護性錆が形成された耐候性鋼板パネルで、耐久性があり経年での風合い低下を防ぎます。むしろ年月が経つほどに色調に深みが加わることが期待される
各部に丸窓と月と兎の意匠が散りばめられています
笹塚駅から西へ進み「笹塚一丁目東」交差点を左折、首都高と甲州街道と交差して直進
「笹塚出張所前」交差点へ。向かい側右角に幡ヶ谷公衆トイレがあります

幡ヶ谷公衆トイレ(マイルス・ ペニントン / 東京大学DLXデザインラボ)

東京大学DLXデザインラボ
大屋根の下真ん中が複数のベンチのあるオープンスペースになっていて、その周り3面にトイレが配置されている直線で構成された多角形体
”展示スペース、ポップアップストア、情報センター、待合所など、地域コミュニティの中心として役立てられることを期待しています。”との意図通り訪れた時には複数の人が真ん中のスペースで談笑していました。(のであまり写真が撮れなかった)
水道道路を新宿方面へ進む。
370m先の右側に七号通り公園

七号通り公園トイレ(佐藤カズー / Disruption Lab Team)

七号通り公園トイレ公式ページ まん丸い姿がとてもキャッチー
TBWA/HAKUHODO Hi Toilet
トイレにおける全ての行動を音声で行うボイスコマンド式のトイレ
可愛らしいフォルムですが表面粗さのせいか汚れが付きやすいようで部分的に黒づんで見えるのが気になりました
甲州街道に出て
幡ヶ谷駅の南側へ抜ける
玉川上水の緑道がのびています
西原一丁目公園へ

西原一丁目公園トイレ(坂倉竹之助)

坂倉建築研究所HP
3つの長方形の個室が並んだシンプルな箱型
昼間に見ると完全に不透明なただの壁に見えますが
壁面はガラス。”“行燈”としてのトイレが公園を明るく照らし出すことで、誰もが気軽に訪れる公共空間として望ましい姿になることを願っています。”とのことなので暗くなって訪れると大きく印象が異なります
ガラスには木の柄がエッチングされています

玉川上水緑道沿いに新宿方面に進む
初台の玉川上水親水公園
ここにもず~と以前に造られた公園と一体化したトイレがあります
緑道整備をテーマに令和2年6月以降「ササハタハツ会議」が開催されているのでいずれ再整備される模様
感じとしては80年代くらいの建築年代かな?
緑道に面して寒天の有名メーカー「かんてんぱぱ」のお店があります
寒天を活かした甘味メニューなどが食べられます
緑道公園は自転車乗り入れ禁止なので
適当に走って山手通りに出て
甲州街道を進み
西参道方面へ右折

西参道公衆トイレ(藤本壮介)

藤本壮介設計事務所HP
バリアフリートイレは側面から、男女別トイレはアーチをくぐった通路から入るレイアウト
大きなバスタブのような一つの白い塊が遠目からでも目立ちます

通路の縁に設置された5つの蛇口の位置は高さがそれぞれ違っており、車いすの方から子ども、大人まで使いやすくなっています
曲線は器をイメージしたデザイン。全体が陶器のような印象を受けます(コンクリですが)
西参道の灯籠
代々木駅方向に進み
代々木駅前を通過。そびえるドコモタワー
「北参道入口」交差点を左折
ここのJRの高架「裏参道架道橋」がレンガ造りで渋い。大正時代のものらしい

裏参道公衆トイレ(マーク・ニューソン)

裏参道公衆トイレ公式ページ。高架下にあります。
マーク・ニューソン 様々なプロダクツをデザインしてきたカリスマデザイナーでバイオメガ社の自転車MNも有名!
真ん中にユニバーサルトイレ。左右に男女別トイレが振り分けられたレイアウト
銅製の「蓑甲(みのこ)屋根」と石垣という和の要素を取り入れつつ未来的なフォルム。流石です
銅のピラミッド型屋根は緑青で色が変わっていくことで完成していきます
アールの取られたコーナーと淡いグリーンのシームレスな空間
明治通りに出て
原宿方面へ進む
明治通りが右へカーブする右側に神宮前公衆トイレがあります

神宮前公衆トイレ(NIGO®)

HUMAN MADE NIGOと言えば「A BATHING APE」のイメージが強いですよね。裏原を代表する有名人である彼がこの場所のトイレを担当するにふさわしいように思えます
「だれでもトイレ」を挟んで男女別トイレが横一列に並ぶレイアウト
レトロな小屋といった佇まい
デザインモチーフは代々木公園一体に以前あった米軍住宅「ワシントンハイツ」だと思われます。土地の記憶を受け継ぐ意図を感じます
ワシントンハイツの建物は1棟だけ代々木公園内に保存されています。(1964東京オリンピック時には選手宿舎として使用)
明治通りを渋谷方面に進み
「神宮前」交差点を通過
道の右側、宮下公園の手前に神宮通公園

神宮通公園トイレ(安藤忠雄)

安藤忠雄建築研究所 表参道ヒルズの設計をしたことが知られているのでこの場所の担当になったと思われます
円形のシンプルなレイアウト
たて格子の外壁と大きくせり出した屋根庇が特徴
安藤氏はこのトイレを「あまやどり」と名付けました
神宮通公園前の交差点を東側に入る
「旧こどもの城」の横から国道246号に出る
おなじみ岡本太郎作「こどもの樹」
「南青山五丁目」で道を渡り
骨董通りの一本南西の道を進む
六本木通りを越え斜めに進み
突き当りを右クランク
広尾ガーデンフォレストといういかにもハイソっぽい名前の集合住宅の前を通りすぎ
右折して今度は広尾ガーデンヒルズというこれまたいかにもハイソっぽい名前の集合住宅の間を進むと左側に広尾東公園

広尾東公園トイレ(後智仁)

広尾東公園トイレ公式ページ
White Design
2部屋の全使用者向け個室が並ぶレイアウト
デザインのポイントは背面の79億通りのライティングパターンのようですが日中だとややインパクトに欠ける印象。夕方~夜にまた訪れたい
外苑西通りに出て
広尾駅前を通過
広尾散歩通りに入って
突き当りを左折
明治通りに出て恵比寿方向へ進む
左折して渋谷川を渡り
タコすべり台のある恵比寿東公園へ

恵比寿東公園トイレ(槇文彦)

槇総合計画事務所 旧山手通り・代官山のヒルサイドテラスを設計した縁でこの場所に選ばれたと思われます
中庭を囲むように「だれでもトイレ」・男女別トイレが配置されているレイアウト
ボリュームを統合する軽快な屋根は「タコ公園」と呼ばれる恵比寿東公園の「イカのトイレ」として親しまれることを狙ったデザイン
設計者の意図通りただのトイレとしてだけでなく休憩所としても利用されています
恵比寿駅の高架手前で北側に入り東三丁目公衆トイレへ

東三丁目公衆トイレ(田村奈穂)

田村奈穂
三角の土地に連続した三角の個室を並べたレイアウト
赤い色とエッジの立った造形が鮮烈な印象を与えます
日本の贈り物文化のシンボルである折形からインスピレーションを得たとのこと
シャープ!切れ味抜群!!
高架をくぐり恵比寿駅西口へ

恵比寿駅西口公衆トイレ(佐藤可士和)

佐藤可士和 ユニクロ、ツタヤ、セブン&i…もはや日本でこの人のデザインを目にしないで生活することはできません
駅前の利用頻度の極めて高い施設。5つの個室を長方形の中にレイアウト
THE TOKYO TOILETすべてに使われている佐藤可士和氏デザインのピクトサイン
目立ちすぎないことを狙ったと語る通りミニマルで主張しすぎないデザイン
駅前を西へ進み
「恵比寿南」交差点を右折
恵比寿公園へ

恵比寿公園トイレ(片山正通 / Wonderwall®︎)

Wonderwall
擬木のコンクリート壁が15枚組み合わさり、壁と壁の間を男性用/女性用/ユニバーサル・トイレという3つの空間への導入とする
古くて新しい擬木という意匠で長年の使用に耐えうる施設になっている
造形的にノーマン・フォスター設計の鎌倉歴史文化交流館を連想しました
駒沢通りから旧山手通りへ進む
槇文彦氏が手掛けたヒルサイドテラスの前から蔦屋書店前を通り抜け
イスラミックデザインがかっこいいマレーシア大使館
玉川通り・首都高と交差して進む
山手通りを合流して「松濤二丁目」を右折
左折して
松濤公園へ
江戸時代には紀州徳川家の下屋敷があったところで、明治時代には佐賀の鍋島家が茶園を開いて「松濤園」と名付けた場所

鍋島松濤公園トイレ(隈研吾)

隈研吾建築都市設計事務所 設計を担当した国立競技場の近くの公園ではないのね?
吉野杉の板で覆われた5つのトイレ小屋からなるお得意の木材を装飾的に多用した建築
テーマパークか博覧会のパビリオンみたい
室内の装飾も其々異なる。個人的には好みじゃない
渋谷東急本店から
「奥渋」へ
ノルウェーカフェ「FUGLEN」をはじめ路地裏に数多くの人気店が点在しています
橋本~津久井方面サイクリストにおなじみのZEBRAも渋谷区役所裏にあるのでいつものクロワッサンを食べに寄ってみるもよし

代々木公園沿いに進み
代々木深町小公園へ

代々木深町小公園トイレ・はるのおがわコミュニティパーク(坂 茂)

普段は透明で中が見え、使用時に鍵をかけると不透明になるという仕掛けで話題になったが、不具合等もあり現在は気温が低い季節は終日不透明。透明の姿を見るには春~夏に訪れなくてはならない。残念な状態になってしまった。
隣のはるのおがわコミュニティパークにも同タイプ色違いがあります

小田急の踏切を渡り
代々木八幡神社前へ

代々木八幡公衆トイレ(伊東豊雄)

伊東豊雄建築設計事務所
男女別トイレとだれでもトイレが独立した3つの円筒形の躯体
”代々木八幡宮の森から生まれた3本のキノコのようなトイレ”と語っています
う~ん、これは確かにキノコ!
色合いやタイルによる仕上げで優しい雰囲気
スタート地点へ戻ることにして山手通りを渡ります
なんとなく水路の跡かなぁ、と思わせる蛇行した裏道を進み
玉川上水緑道に出て
緑道沿いに進むと
スタート地点の笹塚駅に戻ります
距離が約20kmなので普段自転車に乗っていない人でも半日で周ることができると思います。周回コースに設定したのでスタートはどこからでも構いません。
HELLO CYCLINGdocomo bike share などのシェアサイクルで気軽に周ってみるのも良いのではないでしょうか

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