房総素掘りトンネル巡り

房総半島は柔らかい地質が多く比較的容易に掘ることができるため、素掘りのトンネルが数多くに点在しています。永昌寺トンネル・浦白川のドンドン・月崎トンネル・向山トンネル・清水代トンネル・亀岩の洞窟・奥米隧道・梅ノ木台トンネルなど有名な素掘りトンネルと川廻しを巡るサイクリングコース・チバニアンと鹿野山も

コース概要
房総半島は柔らかい地質が多く比較的容易に掘ることができるため、素掘りのトンネルが数多く点在しています。「永昌寺トンネル」「浦白川のドンドン」「月崎トンネル」「向山トンネル」「清水代トンネル」「亀岩の洞窟」「奥米トンネル」「梅ノ木台トンネル」など有名な素掘りトンネルと川廻しを巡る。チバニアンと鹿野山にも立ち寄ります
距離:73.6km
獲得標高:1,360m

浦白川のドンドン~月崎トンネル~向山トンネル

飯給駅からスタート
「飯給」と書いて「いたぶ」と読む。いや、普通は読めないでしょ
駅舎は物置感が漂う
踏切を渡り少し西へ進んで
左折
南へ進み
踏切を渡ると
300mほどで「柿木台第一トンネル」
「このトンネルは、全線素掘りのトンネルとして築造され、形状は将棋の駒のような形をしています。これは日本古来の掘り方で、「観音掘り」と呼ばれています」説明看板より
推定明治32年(1899年)竣工、全長78m
通り抜けた逆側。全線シャープな五角形のトンネル断面です
300mほど進むと
「柿木台第二トンネル」
こちらは馬蹄型の曲面断面
進んでいくといったん小湊鐡道の線路わきに出て
再び林間へ戻る
進んでいくと「浦白川のドンドン」と書かれたプレートがくくりつけてある木があります
木の脇を進み
川岸へ下りていくと
川の流れが見上げるような巨大素掘りトンネルの中へ吸い込まれていきます
これが通称「浦白川のドンドン」。蛇行している川の流路を切通しやトンネルを用いて短絡する水路に付け替えること「川廻し」と呼びます
国土地理院地図で見ると本来は蛇行していた流路をトンネルで短絡した流れに変えていることが見て取れます。今通ってきた道と小湊鐡道の線路はこのトンネルの上を通っています。なお、この辺はヤマビルが出るそうなのでヒルが出る季節は避けた方が良い。冬以外に行く場合は忌避剤や塩を携帯するようにしてください

道に戻り100mほど進むと
「永昌寺トンネル」
こちらも明治生まれのトンネル
北側の出口付近はコンクリートで成形補強されていますが
元は観音掘りの隧道
南側の出口は将棋の駒形状をしています
こちら側は県道172号に面しているので「房総の素掘りトンネルを見てみたい」という人に一番紹介しやすい場所です
県道172号を西へ進み踏切を渡る
月崎駅前を通り過ぎて
「クオードの森」入口を右折
左折して林道月崎1号線に入る
細い流れに沿って曲がりくねった道の先に
二つの連続した素掘りトンネルが現れます
「台原1号トンネル」通称「月崎トンネル」。トンネルの天井が一部抜け落ちてこのような姿になったようで、真ん中に光が差し込みちょっと神秘的
この先にも小さな「台原2号トンネル」があり道は行き止まりになります
県道172号に戻り東へ進んで、突き当りを右折
養老川を渡り
「チバニアン」の看板を
右に入る
チバニアン=松山逆磁極の地層
まっすぐ進むと駐車場ですがチバニアンへ直接行くには駐車場看板を左に入る
小さな橋を渡ると
甌穴がたくさん空いた小さな流れが見えます
橋を渡ってすぐを右側に下って「菩薩の素掘りのぞき穴」を見に行きます。「すべってもころんでも自己責任」と書いてあるように、下り道の足元は悪く、河原・川底は粘土質で非常に滑りやすい。
穴の高さは人の身長くらいで「浦白川のドンドン」と比べて小さい川廻しですが
中まで覗き込めます
滑りにくい長靴を履いていれば通り抜けることもできるかな?(メッチャ滑ります)
「チバニアン」は養老川の河原に面した崖の地層
一番新しい地磁気逆転の記録が世界で最もよく残っているため、時代を分ける境界がよくわかる地層として、世界的に認められました
このことにより約77万4千年前から12万9千年前までの時代が「チバニアン」と呼ばれることになりました
まあ地磁気は目に見えないので「うん、地層だね」としか言いようがないのですが…
清澄養老ラインに戻って養老渓谷方面へ進み
久留里側に右折して
養老川を渡り左折
踏切を渡り左折
しばらく走ると
コンクリートで成形されたトンネルが現れます
しかし中に入ってみると素掘りトンネルをモルタル吹き付けした凸凹した内壁
「芋原第一トンネル」と表示してあります
進んでいくと
さっきよりも雑にモルタルが吹きつけられただけの素掘りトンネル
続いてもう一つ。
ここも申し訳程度にモルタル吹き付けされています
出てすぐ右脇にも杉畑第一隧道があります
突き当りを左折して養老川を渡り返し
小湊鐡道を跨線橋で越える
清澄養老ラインに戻って養老渓谷方面へ進み
養老渓谷駅を通り過ぎ踏切を渡る
養老温泉の旅館が建ち並ぶ中
「奥養老ヴィレッジ」「弘文洞跡あとまで600m」の看板がある角を右折
コンクリートで成形されたトンネル入り口が見えてくる
「向山トンネル」の表記が見えます
奥へ進むと素掘りの壁面になり天井が高く縦長の断面形状になります
途中から下半分のトンネル(共栄トンネル)になり2階建てみたいな変わった形状になっています
上段の古いトンネルの下にあとから新しいものが掘られたためこのような形状になったそうです
トンネルを出た先で養老川を渡ります
川沿いに遊歩道が整備されていて
明治時代の川廻しの跡「弘文洞跡」まで遊歩道で歩いて行けます

「弘文洞跡」。昭和54年(1979年)に川廻しトンネルの頭頂部が崩壊したので現在は両側の崖が切り立った川の合流点にしか見えません
道なりに少し進み
「房総ふれあいの道」の道標を左折
短く小さな素掘りトンネルを抜けると
右手にかなり天井が高い縦長な素掘りトンネル「清水代トンネル」が現れます
トンネル内に地層をはっきり見ることができます
トンネルの先の道は未舗装なのでオンロード派は「房総ふれあいの道」入口まで引き返して回り込むこともできます
まあその先の舗装路も落葉、枯枝、落石などあるんですけどね
しばらく進むと連続した素掘りトンネルが現れます
トンネルの先にトンネルが見える
逆側から
次のトンネルも地層がクッキリ
ちらっと夕木川が見えます
落石注意!
牛尻戸上トンネルを抜け
休耕田と
林を抜けると
集落が有り
その先で
国道465号に合流します
左に入ると紅葉の名所「筒森もみじ谷」
少し上って
トンネルを抜けて大多喜町から君津市へ入る

亀岩の洞窟~奥米トンネル~梅ノ木台トンネル~鹿野山

直進して千葉・久留里方面へ
蛇行する小櫃川を何度も渡っているうちに亀山湖へ近づきます
左折して亀山ダムを通り
さらに左折して
亀山湖を渡る
亀山水天宮の鳥居が見えます
ダム湖にそそぐ笹川の上流に緩く上っていきます
鴨川方面へ
次の目的地「清水渓流広場」の看板
片倉ダムの横を通り過ぎる
「清水渓流広場」へ
駐車場に自転車を停め
少し遊歩道を歩くと「幸運の鐘」の向こうに
ネットでバズって一気に有名になった川廻し「亀岩の洞窟(濃溝の滝)」があります
さすがにバズるだけに絵になります
さらに道を進んで
1.6㎞先を右折して林道香木原線に入る
展望の無い山中を上って行って
最初のトンネルを抜けると下りになります
続々と現れるトンネルを通過
集落がポツポツと現れてきて
湾曲したコンクリートトンネルを抜ける
トンネルの出口の右側を振り返ると旧道の素掘りトンネルが見えた
少し開けたと思ったら
また森林になり
も一度大きく開けて
奥米隧道へ
入口はコンクリートで成形されていますが
中は素掘りトンネルでかなり蛇行しています
いくつか横穴も空いていて独特の雰囲気が有ります
途中開口部があって
もう一度短く素掘りトンネルになっています
トンネルを抜けると
三島ダムのダム湖・三島湖に出ます
進んで行って
三島ダムへ

ダムの奥を三島湖に沿って進むと
素掘りトンネルがあります
このトンネルは途中で90°折れ曲がっている珍しい屈曲素掘りトンネル。
さらに進むともう一本素掘りトンネルが有り
途中に横穴があります。
横穴を抜けると
三島湖畔に面した祠があります
三島ダムから国道465号に入ると
唐突に駄菓子屋さんがあります
しばらく道なりに進み
鹿野山方面へ左折
奥の信号を左折して鹿野山へ
上っていきます
高い山の無い千葉にあって坂好きのサイクリストに人気のヒルクライムコース
勾配8%くらいのキツ過ぎず、緩すぎない3.6kmのコース
 山頂に展望公園があります
鹿野山は房総丘陵の一角を成し、愛宕山に次いで千葉県で2番目に高い山で、南房総国定公園に指定されている。上総地方の最高峰
公園からは、高宕山など上総丘陵が幾重にも連なる山並みの風景を眼下に一望することができ、これら山谷の織り成す景観を総称して九十九谷呼ばれています
公園から先に進むと少し下りになってもう一度短い上りが有り、そのピークに関東有数の古刹・神野寺があります。寺伝では聖徳太子によって創建されたとのこと
下って行って
マザー牧場の手前で少し上ります
高度を上げると視線の先に東京湾がチラチラ見えます
マザー牧場の前を通る
マザー牧場を過ぎると下り
国道465号に入る
上総湊の海岸
北側に東京湾観音が見えます
上総湊駅で上がるもよし
海岸線を南へ進み有名な素掘りトンネルの一つ「燈籠坂大師の切通しトンネル」に寄り
東京湾フェリーで夕日が沈むのを眺めるのも良いでしょう

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