琵琶湖一周ビワイチ2(大津~近江八幡~彦根~米原)

「ビワイチ(琵琶湖一周)」を1泊2日で周るサイクリングコース。2日目は大津からスタートして反時計回りで米原まで。大津の三井寺・三尾神社~瀬田の唐橋~守山のサイクリングの聖地碑~近江八幡の八幡掘・商人町・ヴォーリズ建築~国宝彦根城など観光スポットてんこ盛り。近江ちゃんぽんに鯖そうめん、鮒寿しサンドとローカルフードも!

コース概要
サイクリストの間ではしまなみ海道に並ぶ有名サイクリングコース「ビワイチ(琵琶湖一周)」。全長約200km。寄り道や観光もしたいので1泊2日で走ってきました。2日目は大津からスタートして反時計回りで彦根まで。
距離:86.7km
獲得標高:467 m   

大津~近江八幡

大津市内の三井寺力餅本家からスタート。
 創業明治二年。朝7時から営業してます。
大津市内には古い町家建築が残っているので早朝散歩してみては?
京の町家と同様に間口に対して奥行きが長くいわゆる鰻の寝床的な作り。
 1891年(明治24年)に日本を訪問中のロシア帝国皇太子・ニコライ(後の皇帝ニコライ2世)が、斬りつけられ負傷した「大津事件」の現場に碑が建ってます。
8時開門の三井寺へ。仁王門の脇から入場します。
国宝の金堂。
大化の改新後に天智天皇(中大兄皇子)が蘇我一族を誅した罪障を消滅するため自らの左薬指を切り、この金堂前の灯籠の下に納めたとのこと。天智天皇が指詰めたって話は初めて知った。
近江八景の三井の晩鐘として親しまれている大鐘。
300円で実際に撞くことができます。
三井寺の名前は、天智・天武・持統の三帝の産湯に使われた霊泉があることに由来しています。
閼伽井屋という桃山時代の建物(重要文化財)の中にその霊泉を見ることができます。
平安時代、弁慶が三井寺から奪って比叡山まで引き摺り上げたと伝えられる鐘。鐘にはその時についたとされる傷が残っています。
唐院と三重塔。三重塔は重要文化財。
三重塔の脇にある橋は映画「るろうに剣心」のロケに使われたそうです。
階段を登って高台の観音堂へ
 観音堂は西国三十三箇所観音霊場の第十四番礼所。
観音堂の前に展望台がありますが
ここからの展望はイマイチ。
さらに登ったところにも展望台があり
そっちの方が琵琶湖を広く見渡せます。
観音堂から下りて隣接している三尾神社へ
三尾神社は珍しい兎の神紋が特徴
手水所や灯籠などのあちらこちらにウサギの石造や彫刻が存在する。
琵琶湖湖畔へ
 大津港はスマホの琵琶湖一周スタンプラリーのチェックポイント
 湖畔の遊歩道を進みます。
 ひときわ目立つびわ湖大津プリンスタワー。
 近江大橋が前方に見えてくる。
 近江大橋の下をくぐる
東海道本線と国道1号(東海道)の瀬田川大橋をくぐる
前方に欄干のある黄色っぽい橋が見えてきます。
旧東海道に架かる「瀬田の唐橋」です。
 日本三名橋の一つで安藤広重の近江八景「瀬田の夕照」で名高い名橋
 古くは、瀬田橋・瀬田の長橋とも呼ばれ、日本書紀にも登場する。
 「唐橋を制するものは天下を制す」とまでいわれた京都へ通じる軍事・交通の要衝。現在の橋は昭和54年に架け替えられたもの。
唐橋から下流にも「瀬田川ぐるりさんぽ道」という遊歩道が整備されているので余裕があればサイクリングコースに組み込んでもいいでしょう。
 唐橋を渡って琵琶湖の東岸を走り、瀬田川大橋と
 東海道本線をくぐる。
 琵琶湖漕艇場前を通り
 近江大橋をくぐる。
 矢橋帰帆島に渡り
横断して
 島から出る。
 振り向くと大津プリンスタワーが見えます。
 湖岸緑地を過ぎ
 水門を渡った先に
 道の駅草津があります。
 左手は烏丸半島。琵琶湖博物館や公園があります。
 道の駅 草津はスマホスタンプラリーのチェックポイント。
 その先も断続的に湖岸緑地になっています。
琵琶湖大橋が見えてきて
 琵琶湖大橋の横を通り過ぎます。
 ピエリ守山を過ぎると
 左手にヒマワリ畑が広がっていました
 琵琶湖マリオットホテルもスタンプラリーチェックポイント。ここにはジャイアントストアもあります。
マリオットホテル向かいのなぎさ公園内に「サイクリストの聖地碑」があります。
守山市から野洲市に入る。
 右手に道の駅的施設「鮎家の郷
 ビワコマイアミランドを通過して
 水門から少し右に入った場所にある「BIWAKO DAUGHTERS
 琵琶湖の食材を使ったユニークなメニューが並びます。
 「ふなずしサンド」食べました。しょっぱすっぱいアンチョビ+チーズサンドといった感じ。
「湖岸白鳥川」交差点で右折して近江八幡市街へ。

近江八幡~彦根

八幡城址方向へ進んでいくと
 日牟禮八幡宮に出ます。
 古くから八幡商人の信仰を集めた神社。八幡山城址に登るロープウェイの乗り場が隣接しています。
門前の和菓子店「たねや」。近江八幡周辺は「たねや」勢力がスゴイ!
 元々は近江八幡の和菓子店ですが、洋菓子の製造・販売にも力を入れており、バームクーヘンの「クラブハリエ」が有名。
日牟禮八幡宮境内から市内へ出る大鳥居の手前に八幡堀が流れています。
 安土桃山時代に豊臣秀次が八幡山城を築城した際、市街地と琵琶湖を連結するために造られた人工の水路で城下町が栄える要となった町の一大動脈です。
 堀に沿って、白壁の土蔵や旧家が立ち並び、華やかだった当時の様子をよく伝えています。
 現在は堀沿に石畳の遊歩道も整備され、蔵を改装した飲食店などが並びます。
堀めぐりの船に乗ることもできます。
大鳥居の向かいにある近江八幡観光物産協会白雲閣の建物は明治10年に八幡商人たちが子どもの教育充実を図るために建てた八幡東学校の建物をそのまま利用しています。松本の旧開智学校の造形に似た擬洋風建築です。
八幡堀、日牟禮八幡宮境内地、新町通り、永原町通りを中心とする広さ13.1haの地区が種別「商家町」として国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されています。
近江八幡の町並みにおけるもう一つの構成要素は建築家ヴォーリズの洋館群。
 全国に1600件もの建築を残したヴォーリズは、メンソレータムでおなじみの近江兄弟社の創設者の一人でもありキリスト教の伝道者でもあった。近江八幡は彼が愛したゆかりの地であり、25件もの彼の建築が残されている。
大正10年に建てられた旧八幡郵便局は一般公開されています。
1907年(明治40年)に建てられたヴォーリズ建築最初の建物アンドリュース記念館
 2Fはナッツとドライフルーツの専門店【Going Nuts】が営業しているので部分的に入館できます。スムージーが飲めました。
 1931年竣工のヴォーリズ自邸はヴォーリズ記念館となっていて事前予約をすれば内部を見学できます。
日牟禮八幡門前のたねやの向かいにあるクラブハリエ日牟禮カフェは特別室として 昭和11(1936)年築のヴォーリズ建築「旧忠田氏邸」を補修改築して使用しています。
ヴォーリズ建築は近江八幡以外でも滋賀県内に多く点在し、特に豊郷町の豊郷小学校旧校舎群はアニメ「けいおん!」の舞台となったことで有名です。
文化財の保存と活用は両立が難しいのですが、ここはすごくうまく運営されています。ヴォーリズ建築好きの方は足を伸ばすことをお薦めします。
近江八幡市内では近江牛のお店が多く目に付きます。
 まるたけ近江牛 近江西川は2階がレストランで1階の精肉店は注文を受けてからコロッケやミンチカツを揚げてくれるのでアツアツを食べられます。
八幡掘り沿いの近江牛料理の店「浜ぐら」は近江牛の老舗「カネ吉」の比較的カジュアルな直営店。
 「近江牛 赤の他人丼」1,600円。この値段でこのお肉はお得だと思います。美味しいすき焼で出てくる肉って感じでした。すまし汁と、名物赤こんにゃくとお漬物がセット。
市街地から浜通りに出る。
たねやの本社に和・洋菓子のメインショップ、飲食店、マルシェ、専門ショップ、パンショップなどを加えた複合施設「ラ コリーナ近江八幡」が通り沿いにあります。
 建物全体が草に覆われたユニークな建物は建築史家として有名な藤森 照信氏の設計。
 焼きたてのバームクーヘンが食べられるメインカフェは激混みですが外にフードコートがあります。
 シチリアのライスコロッケをたねやが表現した〈アランチーノ〉。
浜通りを進み円山町の交差点を右折して県道526号線で安土方面へ。
 西の湖の縁を走ります。
 能登川水車方面へ直進。
 東近江市境から「びわ湖よし笛ロード」に入る。
 ちなみに「びわ湖よし笛ロード」を右折すると織田信長の城・安土城跡へ行けます。
安土城跡は急な石段を登った山の上。立ち寄るには1時間半くらいはかかるので全体の旅程との兼ね合いで取捨選択してください。城や屋敷などの建物は有りません。
 天守台近くからは西の湖を見下ろせます。
「びわ湖よし笛ロード」を走って「能登川水車」に出ます。

 伊庭内湖に浮かぶ島に、大水車・水車資料館・カヌー基地・水辺体験広場などが整備されています。
大同川沿いを進みさざなみ街道に出る。
 愛知川を超えて彦根市に入る。
 長曽根町北交差点で右折して彦根城へ

彦根~米原

左手に彦根城のお濠が見えてくる。
 お濠の向かいにある昭和6年築のスミス記念堂
 和的な彫刻に十字架が刻まれていて面白い。
 彦根城へ続く京橋門
京橋の逆側は「夢京橋キャッスルロード」
 白壁と黒格子の町屋風に統一された街並みは江戸時代の城下町をイメージして再整備されたもの。飲食店や土産物屋が並ぶ。
京橋門を渡り進む。
 城への入口、表門橋
彦根城の大スターひこにゃんの登場スケジュールが掲示されています。
彦根城の石垣は越前衆という石工集団が積んだという伝承があります。
 彦根城は天守が国宝指定された5城のうちの一つ
 3層3階の天守は姫路城や松本城と比べると小ぶりです。
 天守から琵琶湖を見渡せます。
 城の北側には玄宮園と楽々園という大名庭園が配されていて、これらは「玄宮楽々園」として国の名勝に指定されています。
彦根駅前の井伊直政像
彦根駅前にはご当地グルメ「近江ちゃんぽん」発祥の店「ちゃんぽん亭総本家」があります。
 長崎ちゃんぽんと違って麺は太麺ではなく普通の中華麺、スープは白濁していない和風あっさり味です。
駅の南側の市河原町芹町地区は国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されています。
 レトロなビルや看板建築も点在しています。
彦根から電車に乗る場合、国道8号線に「極楽湯」というスーパー銭湯があるのでそこで汗を流していくと良いでしょう。
彦根城から琵琶湖沿いに出る。
 道沿いにも「ちゃんぽん亭総本家松原店」があります
 さざなみ街道沿いにはたねやの人気パン店「クラブハリエ ジュブリルタン」もあります。
 「入江橋」交差点を右折して米原駅へ。
 米原駅周辺は銭湯などが無いのでさらに足を伸ばして長浜まで走り国民宿舎 豊公荘の太閤温泉に浸かって
 「夢の小路良太郎」で長浜のローカルフード「鯖そうめん」を食べて長浜駅から帰路につくのも良いでしょう。

バリエーションルート(旧中山道~多賀大社)

琵琶湖からは離れますが近江八幡・安土城辺りから五個荘に出て旧中山道を走るのも旧街道の風情を楽しめます。
松居家住宅洋館(旧五箇荘郵便局)
愛知川宿

宿場町の雰囲気が残っています。
愛知川ふれあい本陣
一里塚跡


ヴォーリズ建築の豊郷小学校旧校舎群
旧中山道から右折して尼子館へ
藤堂高虎像
さらに琵琶湖・旧中山道から離れますが「お多賀さん」の名で親しまれている多賀大社にも寄っていきましょう。
延命長寿・縁結びの神として古くから全国的な信仰を集め、豊臣秀吉の厚い信仰もありました。
お守りとしてしゃもじを授ける「お多賀杓子(おたがじゃくし)」という慣わしがあるが、これは「お玉杓子」や「オタマジャクシ」の名の由来とされています。
門前町が形作られていて駅前の大鳥居から神社までの参道の両わきにみやげ店などが並びます。

飴細工のような見た目の名物「糸切餅」を食べていきましょう!

おまけ

滋賀県は「飛び出し坊や」発祥の地!ということでビワイチ中にたくさんの飛び出し坊やに出会いました。



サイクル・スポーツ用品